パラベンって何?

パラベンとは、私たちにとっても最も身近な「防腐剤」のひとつ。
化粧品を探している時に「パラベンフリー」と見かると、
「パラベンフリー」じゃないものはダメなんじゃ・・・今使っている化粧品は大丈夫かしら?
なんて、不安になっちゃいますよね。

青木青木

この記事では、コスメコンシェルジュがパラベンについて包み隠さずお伝えいたします!
パラベンについてきちんと知りたい方は、ぜひ一度お読みくださいませ。

パラベンは非常によく使われる「防腐剤」です

まず安心してほしいのは、パラベンは化粧品、食品、医薬品などで、微生物による汚染を防ぐ優秀な成分として100年以上昔から広く使われている成分ということ。

パラベンの正式な名前は『パラヒドロキシ安息香酸エステル(別名:パラオキシ安息香酸エステル)』
この中にはいくつかの種類がありますが、一般的にはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンが主に防腐剤として使用されており、総称して「パラベン」と書かれているものが多いです。
パラベンは人体への毒性が低く、微生物、特にカビや酵母の腐敗防止に効果的と認められているため、広い分野で非常によく使われています。

では、なぜ「パラベン」が多く使われるのか、「パラベンフリー」は誰のためなのか、今回はそういった疑問を掘り下げてみたいと思います!

防腐剤は無添加がいい?


「防腐剤は添加物だから入っていない方が良い」と思われる方もいると思います。
例えば、生鮮食品など短期間で消費するものなら、必要じゃなければ入っていない食品を選びたいですよね。

しかし、数日間で消費しきれないものは、やっぱり腐ってしまうのが怖い!
腐ってしまったものを口にしたらお腹を下してしまったり、もっと悪ければ食中毒になってしまうことも。
なるべく清潔に保存しようとしても、空気中の浮遊菌まで防ぐのはヒジョーに困難!
化粧品でも、雑菌が繁殖したものをお肌に塗ることは肌荒れの原因になることも・・・。

つまり、一概にパラベンが良い・悪い、ではなく、防腐剤の効果を知ったうえで商品を選ぶというのが重要なのです。
次に、パラベンフリーのメリット・デメリットを挙げてみました。

「パラベンフリー」のメリット・デメリット

「パラベンフリー」のメリット
・パラベンによるお肌の刺激がない
・パラベンアレルギーを起こさない

「パラベンフリー」のデメリット
・雑菌が繁殖して肌トラブルの原因になる可能性 ※その他の防腐剤で代用しない場合
・「パラベンフリー」にこだわると選べる化粧品の数が少なくなる

欲しいコスメが「パラベンフリー」だったなら問題ありませんが、最初から「パラベンフリー」を探すと化粧品を好きに選べなくなる覚悟が必要です。
パラベンがお肌に合わないことが分かっている場合は絶対に避けた方が良いのですが、そうでない場合はメリットを感じにくいかもしれません。

パラベンは多くの人には安全だが、体質によってはアレルギーの恐れあり

パラベンは多くの人には安全だが、体質によってはアレルギーの恐れあり

パラベンは、1924年に初めて医薬品の防腐剤として使用され、約1世紀の歴史があります。
長年使用され、防腐効果や安定性が高いと評価されている成分です。

しかし、パラベンの主たる副作用には、皮膚への塗布や摂取によって皮膚炎や湿疹などのアレルギー反応の可能性があります。
これがあるため、化粧品の全成分表示が義務付けられる以前は、配合したら表示しなければならない「旧表示指定成分」のリストに含まれていました。

アレルギーを起こす人は、1000人中3人くらいの確率だそうです。
0.3%を多いと考えるか、少ないと考えるかは難しいところですね。
パラベン入りの化粧品を使っていて心当たりがある方は、皮膚科医に相談してみるのがオススメです。

パラベンは「使っていい量」まで決められている

安全のためパラベンの使用量は厚生労働省の基準で制限されています
化粧品、医薬品、食品などの防腐剤・保存料に使われるパラベンは、その使用量に制限が設けられています。

例えば、日本の「化粧品基準(厚生労働省策定)」なら使用量の上限が1%(*「パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩」が100g中に合計量として1.0g)、アメリカ合衆国では、メチルパラベンとプロピルパラベンが、一般に安全と認められる物質として、食品中の上限を0.1%と認められています。
なお、化粧品の例では、ほとんどの市販品でのパラベン使用量は、0.1~0.5%程度となっているようです。

必ずしも無害な成分とは言えませんが、厳しい基準で量まで決めて配合されているので安心という見方もできます。
思っているより身近で生活を助けてくれるのがパラベンなのですから、変に身構えなくても良いのではないでしょうか?

パラベンフリー=防腐剤フリーではない!


また、「パラベンフリー」と謳っている商品でも、別の保存料・防腐剤を使用していることがほとんど
つまり、「防腐剤無添加」が良いならフェノキシエタノール・安息香酸塩など別の種類の防腐剤が入っていないか見極める必要があるのです・・・

その他の防腐剤も、パラベンと同じくらい安全でほぼ心配ないレベルなので、あまり気にしないのが一番ではないでしょうか。
防腐剤より怖いのは、雑菌が繁殖することで化粧品自体が変質したり、また雑菌自体が肌の刺激物となって肌トラブルを引き起こすこと。

何か月も同じものを使ったり、お風呂など高温多湿の環境にも置かれる化粧品を守るために防腐剤は必須!

防腐剤フリーのコスメを選ぶポイント

パラベンフリー/防腐剤フリーの化粧品は、品質を守るために一工夫されているものを選ぶのがオススメ!

たとえば、中身に雑菌が入りにくいようになっている「真空タイプ」の容器だと安心して使うことができます。
真空タイプなら、さらに酸化しやすい成分も配合できるメリットがあるので、ビタミンC系の化粧品を選ぶ際にもオススメです。

Reveur(レヴール)フレッシュール 生シャンプースカルプ

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パラベンフリー。フェノキシエタノールが入っているので防腐剤フリーではありませんが、真空容器で中身と品質を守ってくれる設計です。さらに酸化しやすいオイルやビタミンなどの美髪成分の配合も嬉しいポイントです。

まとめ

医薬品、化粧品、食品、さらに、赤ちゃんのおしりふきに抗菌剤としても使用され、私たちにとって最も身近な防腐剤の一つでもあるパラベンについて、知っていただけたでしょうか。

ポイントは、必ずしも「パラベンフリーが絶対良いわけではない」こと。
同様に、体質によっては「パラベンが入っているから安心でもない」です。

パラベンのメリット・デメリットを理解した上で、自分の体質やアレルギーなども含めて、正しく商品を選びましょう。