「髪ってどうして伸びるの?」
「毎日たくさん抜けるけれど、どのくらいが普通なの?」

その理由、実は全て【ヘアサイクル】という髪が生え変わるリズムで説明ができます。
ここでは、抜け毛を防いで健康な髪を手に入れるために知っておきたい、髪のメカニズムをご紹介します。

髪が抜ける本数の目安

そもそも、髪はずっと伸び続けるものではありません。
一日に50~150本が抜け、その分だけ新しい髪も生えてきています。

日本人の髪は約10万本生えているとされているので、150本は全体のたった0.15%ですね。
髪が長いと抜け毛も目立って「抜けすぎ・・・?」と心配になりますが、心配しなくてよいケースも多いですよ。

しかし、1日の抜け毛が200本を超えてきた場合にはヘアサイクルの乱れが考えられます。
人間の「成長期」のように髪にも「成長期」があるのですが、それが通常より短くなると髪が伸びないまま抜けてしまうことも・・・

まずはヘアサイクルを知って、抜け毛に対する正しい理解を深めましょう。

健康な髪をつくる【ヘアサイクル/毛周期】とは

ヘアサイクル(毛周期)とは、髪が生えてから抜け落ち、再び生えてくるまでの周期のことです。
ヘアサイクルは大きく4つのプロセス(成長期・退行期・休止期・脱毛&新生期)に分けられ、健康な髪は3~6年でヘアサイクルを一巡すると言われています。
次に、ヘアサイクルの4つのプロセスをこまかく見ていきましょう。

【成長期】3~6年

数年かけて髪が伸びる時期です。
毛根の先端部分「毛球」では、毛乳頭が毛細血管から栄養を取り込みんで毛母細胞を活発に分裂させる指示を出し、髪の毛はどんどん伸びていきます。

【退行期】2~3週間

髪の成長が弱まる時期です。
髪に栄養を送っていた毛乳頭が縮小しはじめ、毛母細胞の分裂(=髪の成長)が止まっていきます。

【休止期】2~3ヶ月

髪の成長が停止する時期です。
毛根から毛乳頭が離れて完全に成長は止まり、毛乳頭は次の成長期に向けた準備を始めます。

【脱毛&新生期】

新しい髪に生え変わる時期です。
新しい髪が毛根から伸びてくると、古い髪は押し上げられて自然と脱毛します。

髪はどのくらい伸びる?

成長期の髪は1日0.3~0.5ミリずつ、1年間でだいたい15センチ伸びます。

どれだけ髪が伸びるかは個人差が大きいです。
ざっと計算しただけでも、伸びるスピードが遅くて成長期が短い人なら30cm(胸あたり)、伸びるスピードが速くて成長期が長い人なら1m(膝あたり)と70cmもの幅があるんです!

そして、身体の中でも部位によって伸びるスピードと成長期が異なります。
たとえば、まつ毛はカットしなくっても伸び続けることはないですよね?

まつげの毛周期は3~5ヶ月(成長期1ヶ月・休止期4ヶ月)で抜けるため、一本一本の寿命が髪と比べてずっと短いのです。
寿命が短い分、最終的な毛の長さも短くなるので全体はある程度の長さで維持されるのです。

注意した方がいい抜け毛をチェック


自然な抜け毛だけでなく、さまざまな要因で抜け毛が増えることがあります。
次のような抜け毛が目立つ場合には、自然なヘアサイクルではない原因で抜け毛が増えているかもしれません!

毛先が細く短い抜け毛

毛先が細い、つまりカットされた形跡が無いのに短い抜け毛は、“予定外の抜け毛”なので要注意!
ヘアサイクルの乱れにより本来成長期にあった髪の毛が抜けてしまっている可能性が高いです。

ほかと比べて細く弱々しい抜け毛

ほかの髪と比べて明らかに細い抜け毛が増えた場合は、栄養が行き届かず髪の発育不良が起きている可能性があります。
弱々しい髪の毛が増えている場合には頭皮環境は問題ないか一度チェックしてみる必要がありそうです。

皮脂汚れが根本に付着した抜け毛

毛根付近についている粘り気のある大きな塊は皮脂汚れかもしれません。
頭皮に皮脂分泌があるのは普通のことですが、塊で残ってしまうほどだと酸化して刺激になることから頭皮環境に良くない影響も考えられます。

また、皮脂汚れと間違えやすいのですが、毛根部分に毛根鞘(もうこんしょう)という毛穴と髪を密着させていた部分が髪と一緒に取れることがあります。
毛根鞘は髪と一緒に取れる時も取れない時もありますが、どちらでも問題ありません。

毛根の先端まで黒い抜け毛

毛根の先だけ白くなっているのは、自然なヘアサイクルを終えた正常な抜け毛なので心配いりません。
メラニンの供給が止まった休止期を経た髪の毛は先端部分のみ白い部分が残ります。

一方で毛根の先端まで黒い抜け毛は、成長途中に何らかの理由で抜けてしまったもの、もしくは血行不良が原因で毛根部分が黒ずむことが原因と言われています。

抜け毛が増える原因

①男性ホルモンの影響

男性の薄毛の主な原因と言われているのが男性ホルモンの影響です。
男性ホルモンの働きによってヘアサイクルの成長期は短くなり、結果的に長く太い髪の毛が育ちにくくなります。
細く短い髪が増えるにしたがって、毛髪の退行が目立つようになります。

また、遺伝によってこの男性ホルモンの影響を受けやすい/受けにくい体質があるそうです。

⇒男性型脱毛症(AGA)のセルフチェックはこちら

頭皮の血行不良

ストレス・睡眠不足・低体温・冷え性・貧血・喫煙など血行不良の原因はさまざま。
単純に冬は冷えによって血行不良になることもあれば、ストレスが自律神経に影響した結果血行不良になるケースもあります。

頭皮の血行が悪くなると、髪へ栄養を届ける毛細血管の働きも低下し、髪の成長をとどめたり退行期を早めたりします。
生活習慣をととのえたり、頭皮マッサージなどでの対処が有効です。

頭皮の汚れ

フケや皮脂などの汚れが毛穴にたまり、その汚れが酸化すると毛穴の中で炎症を引き起こす場合があります。
頭部にニキビができやすい人は毛穴にダメージを与えないように、しっかり汚れを落とすことを意識するのがベターです。

また、インナードライ肌で乾燥から皮脂が過剰に分泌されるケースもあるので、顔と比べて頭皮の皮脂分泌が多い場合には、皮脂の落としすぎもしくは保湿の不足を疑ってみても良いかもしれません。

有効と認められている発毛方法

育毛剤や頭皮ローションに使われる成分は様々ですが、現在薄毛への有効性が認められている方法は下の二つのみです。
そのほかの成分に関しては、十分な有効性が認められる段階ではまだないようです。

(男性のみ)抗男性ホルモン剤:SGA薬(フィナステリド/デュタステリド)

脱毛を抑制し、ヘアサイクルを正常に戻す効果があります。
⇒詳しくはこちら

ミノキシジル

発毛剤のリアップが特許を取った成分として有名でしたね。
現在はロート製薬やスカルプDなど同じ効能の発毛剤も続々と発売されています。
まずは自宅で対処を始めてみたい方はミノキシジル配合の発毛剤を試すのも良いかもしれませんね。

まとめ

髪が抜けるのは自然なこと。
それも、1日に50~150本は抜けるというのだから、ヒトの身体って知らないところで大忙しで働いてくれているんですね。

頭皮ケアは抜け毛だけでなく美しい髪を育てたい人にもぜひオススメしたいので「抜け毛の心配はいらなかったかも…?」という方も今日をきっかけに頭皮ケアを考えてもらえると嬉しいです。
手始めに、シャンプーをちょっと上質なものに変えるだけでも、髪と頭皮どちらにもより良い明日が訪れるかも!?

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